うさとが、うさとになる前の話 | Usaato うさと

Usaato

Number 253

うさとが、うさとになる前の話

 

うさとの服は、綿・大麻・絹の自然素材をタイやラオスの農村部で手織り・草木染めした織物がタイで縫製されて服になり、日本にやってきます。

 

縫製工場は現在7箇所。

そのうちのひとつでは、最初期からの縫い子さんが今も縫製を手がけています。

 

はじめから今の規模だったわけではありません。
最初期、縫い子さんは3人。
出来上がる服の数は少なく、縫える形も限られていました。

 

今日はその頃、つまり、うさとがうさとになる前のお話をご紹介します。

 

 

【現在の縫製工場のひとつにて】

 

 

うさとの創始者であり、デザイナーの”うーさん”こと、さとううさぶろう。

 

日本のアパレル企業デザイナーから、ベルギー社交界のオートクチュールドレス制作へと移り、仕事も生活も、満ち足りた生活を送っていたうーさんですが、42歳のとき、ある日突然不思議な声から「みんながこの生活を続けると、地球がもたない」「もつ地球、未来に続く地球にするために、あなたには何ができるのか」と問い掛けられたことを境に、「いのちのかたまりのような服」づくりを目指します。

 

 

” 地球が持続すること、いのちが続いていくためには、いのちの法則そのものである「自然」の一部であることを、人間が思い出すしかない。エネルギースポットに行かなくても、特別な体験ができなくても、みんながいつも自然のパワーを感じて、あたたかいいのちの調和にくるまれていられたなら・・・。そのとき、ぼくの中で何かがつながりました。

「服でそれをやりたい!」”

(以下、藍色の文字部分は「あいをよる おもいをつむぐ こころはひとつ /さとううさぶろう著」 引用)

 

 

その思いから、自然素材の手織り・草木染めの布を探して5年。

 

うーさんは、タイのチェンマイで長い間探し求めてきた布と、ついにめぐりあいます。

 

出会ったのは北タイ周辺の山岳民族により、いざり機で織られた大麻(ヘンプ)の生成り生地でした。

生地を手に入れると、当時滞在していたゲストハウスに飛ぶように帰り、そこから1週間も経たずに仕上げた12、3枚のデザイン画とパターンを持って、知人に紹介された縫製工場にサンプルの縫製を依頼しに行きます。

 

ソンテウという、タイのバスのようなものに乗り、パターンを担いで・・・

 

 

【こんな感じだったのでしょうか・・・?】

 

 

”(前略)仕上がりは「あらら!」の連続でした(中略)
そこは、山岳民族の子どもたちを支援するための小物をつくっている工場で、袋モノや壁掛け、敷物などがメインです。3人いる縫い子さんたちは、誰も服を縫った経験がありませんでした。彼女たちのように、服の知識がないほうが、先入観にとらわれないものづくりができるんじゃないかという期待もあったのだけど・・・。”

 

 

パターンの通りに仕上げてもらうためには、密なコミュニケーションが必要だと感じたうーさんは、それから間もなくチェンマイに移住し、「いのちの服」づくりに没頭することになりました。

 

出来上がった服は、自らトランクに詰め、日本で売ります。はじめは全然売れなくて、「あげて帰ってきた」のだそう!
出た利益で宝飾品を買い求め、”ボーナス”として縫い子さんたちと分かち合ったりもしていました。
(タイでは、現金を貯める習慣がなく、宝飾品を財産とするのだとか・・・)

 

 

”「できないことを無理にやってもらっても、うまくいくはずがない。できることから始めてもらい、きちんと丁寧にこなせるようになったら、できそうなことにもチャレンジしてもらおう」
根気よく面倒をみるうちに、だんだんできることが増えていきました。
「なんでもこうやって、少しずつ積み上げながら、前にすすんでいくんだなあ」
ものづくりの一歩一歩を、改めて学びなおしている気がしました。”

 

余談ですが、当時からの縫い子さんの一人に「はじめてうーさんに会ったときにどう思いましたか?」と尋ねたところ、「信頼している人からの紹介だったので、悪い人じゃないと思った」のだとか。笑

 

当時は、服の縫製技術がなく、前開きの服が縫えなかった縫い子さんたちですが、それから二十数年経った今では、うさとの服の中で、”最も縫製の難易度の高い形のもの” を縫えるグループとして活躍しています。

 

最初の一枚から、今目の前にある服たちまで、物語は繋がっています。

 

そんな物語も感じながら、出会っていただければ幸いです。

 

【先日、うさとジャパンスタッフが縫製工場を訪れた際の一枚】

 

 

(スタッフ 美央)

 

 


 

【Usaatoの服とは・・・】

 

タイやラオスの農村部で、綿(コットン)・大麻(ヘンプ)・絹(シルク)の自然素材を原料に、暮らしの中で草木染め、手織りなどの手仕事を重ねて作られた生地に、オートクチュール出身のデザイナーが”宇宙の法則”を意識したパターンを組み合わせた、心地良い服です。

工業製品とは異なる生産方法のため、小ロットの入荷となり、その出会いは一期一会。

オンラインショップ展示販売会京都にある直営店

で、出会っていただけます。

 


 

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