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Number 261
Usaatoの絣(かすり)の歴史
Usaatoの服の中でも特に目を惹くその美しさ。
絣の生地は、一目見ただけで心を奪われるほどゴージャスです。
絣(かすり)とは模様がかすれて見える柄が特徴の生地です。
通常は「かせ糸」ごと染めるところを、絣の場合は糸を染める前に柄となる部分を括ります。
これにより括った箇所は染まらずに糸本来の色が残り、柄合わせをしながら織ることで絣の柄となります。
工程の多さと技術が必要とされる織り物です。
Usaatoの絣の服といえば、コットンの糸を藍染めして織られた生地が多いです。
絣といえば、Usaatoの絣と久留米絣くらいの知識しかなかった私はてっきり「絣=コットンで藍染め」と思い込んでいたのですが、タイのスタッフに「タイの絣ってコットンを藍染めして作られてるでしょ?」と何気なく言ったところ、「うさとの絣はタイではスタンダードじゃないんだよ。うさと仕様の絣なんだよ。」と言われてびっくり。
うさと仕様って何?
タイの絣とどう違うの?
今のUsaatoの絣ができるまで、その背景には物語があり、村の人たちの情熱と努力がありました。
絣の生地を織ってくださっている場所の1つであるラオスの村では、当時は小物を中心に作っており絣を織る技術はありましたが服を作るための生地を織ることはやってなかったそうです。
うさとの生地を織ることになり、最初は手紡ぎの糸も村になかったので工場から糸を買って始められたそうです。
それから少しずつ、自分たちで綿を育て、収穫して、手で紡ぐのが復活していきました。
織り機の幅も広げなきゃいけなくて、村の人たちは最初は恐る恐る織り始めたんだとか。
絣の模様も仏教の物語に出てくるナーガ(へび)など伝統的な模様で織ることが多く、服に使うにはモチーフが大きくて使いにくかったそう。
そのため服に合う小さめなモチーフを考えてもらい、織れるように練習したとのことです。
ヘビでは無いけど、このトナカイ?うさぎ?も初期からあるモチーフの1つ。
上の画像のムササビはつい最近入荷したのですが、生地は随分前に織られておりずっと倉庫で眠っていたもの。
入荷したときは「珍しい柄のムササビが来た!」とスタッフの間で話題になりましたが、モチーフにも経緯があったのだと知りました。
糸を作るために綿を育てるところから、織り機の幅も広くし、絣のモチーフも服に合うように考えてもらう。
その工程すべてが手作業です。
ラオスの村のリーダーは「簡単な仕事ではありませんが、生地の美しさを保つためには忍耐が必要です」と言っており、復活するだけではなく織ること自体とても大変なことだということが伝わってきました。
【絣を織る村にて】
Usaatoのデザイナーであるうーさんが「無くなってしまってから復活させるのは本当に大変なことなんだよ。だから無くならないように続けていくのが大切だと思います。」と言っていたことを思い出しました。
タイでは絣の生地といえば民族のシンボルで、王様への献上品だったり、服だと伝統的なデザインはもちろん、最近では結婚式などで着るワンピースなどに使われたりしており、特別な立ち位置のため素材はシルクなことが多く、色々な色で染められてカラフルなのだと教えてくれました。
そして織ることが難しいため絣の生地が織れる人は尊敬されるんですって。
【絣ではありませんが、写真はラック染めのシルクストール。とっても鮮やかです!】
手間もかかるし、技術も忍耐も必要。
絣の生地はそれだけ特別です。
私も何着か絣の服を持っていますが、生産背景を知ることでますます愛着が湧きました。
みなさんもUsaatoの絣の服を手に取った時はぜひその魅力を感じてみてくださいね。
(スタッフ 美音)
コーディネートに取り入れるととても華やかな絣のアイテム。
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