Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと vol.8 嶋田美由紀さん | Usaato うさと

Usaato

Number 58

Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと vol.8 嶋田美由紀さん

 

”暮らしで使う布は、愛着のわくものであってほしい”と

オリジナルの手織り・草木染めの生地を使い

寝具やスリッパ、お財布まで様々なアイテムを作り続けているブランド、

planeta ORGANICA (プラネッタオーガニカ)。

 

代表の嶋田美由紀さんは

Usaatoのデザイナー、うーさんこと

さとううさぶろうの弟子的な存在だ。

 

日本とタイを行き来しながら

制作と販売をしている。

 

 

 

 

美大を卒業後、内装関係の仕事をしていた美由紀さん。

 

男性の体力が必要な仕事に限界を感じていた。

 

仕事を辞め、北欧でインテリアの仕事に就こうと考えた。

 

女の人が生き生きとできる仕事がしたい。

やわらかいものに触れていたい。

自分で何かをやりたいという気持ちがあった。

 

北欧へ行く際にタイへ立ち寄ったことがきっかけで

そんな全てがきゅっと一本の道になった。

 

 

「うーさんのところにいた友達に会いに、タイへ行ったんです。

 

”北欧へ就職先を探しに行くんだ”とポートフォリオを見せたら、うーさんがタイの手仕事を色々と見せてくれました。

 

とても惹かれて、その後北欧へ行ったものの、またすぐタイに戻りました。

 

北欧は、寒くて。笑

 

 

僕の会社でインテリア部門を立ち上げないか?というお話をうーさんからいただき、

てっきり社員になれると思って、日本に戻り急いで一ヶ月分の生活費を貯めてタイへ行ったら、「独立採算制でお願いします」と言われて。

 

「はい」と言ってしまった。笑

 

とはいえ、アトリエに住み込みで作業スペースを与えてもらい、何かとサポートしてもらいました。

 

うーさんは、進んで教えないけど場は与えてくださるから。

 

自分のやりようで、どれだけ学んでも盗んでも良いよと言ってくださる方です。

 

数人のスタッフが働くアトリエでの仕事は、部屋も机もうーさんの隣。

全部そこで学びました。」

 

 

 

 

【そこかしこが絵本の中のような、日本のお宅にて】

 

 

 

 

3ヶ月後に日本で開催する、初のUsaato展に一緒に出店するための作品を作ってくれと言われた。

 

製図はできるがパターンは引けない。

 

自分は空間を作る仕事が得意だ。

 

会場となるのはお寺だった。

 

寝室を空間として見立て、そこにあるものをデザインしよう。

長く使えるものを作ろう。

 

そう考えて、ランプシェードとタペストリー、和布団セット、長座布団などを作った。

 

それが売れた。

 

 

次の資金ができ2回目、3回目と回数を重ねていった。

 

2ヶ月チェンマイで制作して、1ヶ月毎週末4回、日本で展示会をするというターン。

 

 

「うーさんとは本当にたくさんの時間を一緒に過ごさせていただきました。

 

展示会の会場近くの神社にご挨拶に行って、裏の奥の院が荒れていたら綺麗に掃除したりとか。

そういうこともしていましたね。笑」

 

 

販売の仕方から展示会のやり方、値段の付け方など、全てを吸収する日々。

 

学び、働くうちに自分のやりたいこともより明確になってくる。

 

一年後に、自分のアトリエを持ち

スタッフを増やしていき、3年後に独立した。

 

 

 

 

 

 

ー美由紀さんにとってうーさんって何ですか?

 

 

「うーさんは師匠って言ったら嫌がるだろうけど、全て教えてくれたのはうーさんだし、

隠れているけど、planeta ORGANICAの魂の根元にある存在だと思います。

 

一番教わったのは心の持ちよう。

 

うーさんは聞かないと教えてくれない人だけど、間違ったときは怒ってくれる。」

 

 

ーどんな時に怒られましたか?

 

 

「覚えているのは2回あって。

 

1回は片付けなかった時。

アトリエの片付けをせずに、スタッフとご飯を食べに行ったら

電話がかかってきました。

「帰ってきて片付けなさい」って。

 

もう1回は、うーさんに紹介してもらった方に

直接連絡して、頼みごとをしたんです。

うーさんには断りを入れずにね。

その時はやっぱり怒られました。

自分でも気付いていたから、

「不義理をしてすみません」と私から電話したんだったと思います。

「君、自分から気付いたからいいけど」と言われたけど、怒られましたね。」

 

 

ーお父さんみたい!

 

 

「人との関わり方とか

 

展示会に行ったらまずお掃除をしてから始めるとか

 

人に対してご奉仕する姿勢とか、

 

偉そうにしない、謙虚な心をいつも持ちなさいというところだったりとか。

 

 

一緒に仕事をさせてもらった3年間の間に

心の持ちよう、真髄を教え込まれたと思っています。」

 

 

 

 

 

 

最後にUsaatoに望むことを聞いてみた。

 

 

「継続かな・・・続いて行って欲しい。

 

何かあたたかいもの、人間にとって大事なもの。

そういうものを持っているところには、続いて欲しい。

 

 

タイ側の生産者のことを考えても

国がどんどん発展していく中で、どんどん無くなっていくものだと思う。

 

残していかないと本当に消えていっちゃうものなので。

 

あっという間にね。

 

私は今までやってきた中で

初めはUsaatoの生地を使わせてもらいました。

 

自分のブランドをやるんだったら、生地からちゃんとプロデュースしたいと思って生地を織ってもらうというところから始めたんですが、無くなったら復活できないし、やめたところに対してコットンの栽培してください、と言ったところで難しい。

 

技術を持っている人が残っていないと無理なんです。

 

 

私は若い織り子さんがいるところを育てていきたいと思っていて

今一人、山岳民族の子に織りの勉強に行ってもらっています。

 

 

その人たちの持つ技術にとどまらず、広げていけるように。

 

少しでも若い子が続けていけるように。

 

 

Usaatoの場合は続けることが

そういう流れの一助になるんじゃないかなと思っています。」

 

 

 

Usaatoとはまた違う表情。

 

けれど共通項を感じずにはいられない、planeta ORGANICAのアイテムたちにもぜひ触れてほしい。

 

 

うーさんから美由紀さんへ。

 

そして、布を通して私たちへ。

 

 

スピリットと言うと大袈裟だろうか?

 

 

けれど、受け継がれる感覚は、”心地よい”と感じられる暮らしへの助けになってくれるはずだ。

 

 

 

 

 

planeta ORGANICA

 

 

4月22日(金)〜26日(火)

Usaatoの服直営店USAATO KYOTOにて、

planeta ORGANICA 展示会が開催されます。

22日は嶋田美由紀さんが在店されます。

ぜひお越しくださいませ!

 

詳しくはこちら

 

 

”Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと”シリーズ一覧はこちら

 

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