Number 324
記憶を連れてくる服
優芽さん17才、撮影会では最年少のお客さんがやってきた。
なんと、お母さんが知らない間に申し込んでいたという。「あなたは肌が弱いから、うさとの服がいいんじゃない?」と勧めてくれたそうだ。

うさとの服が初めての人はスタッフと一緒に服を選ぶことが多いけれど、優芽さんはずっと自分の意思で選び続け、物怖じせずカメラの前に立っている。

撮影会の後、優芽さんは初めてうさとの服を纏った感想を弾むような口調で教えてくれた。
「おばあちゃん家の縁側で寝そべって風鈴の音を聞いている時のような、安心で心地いい気持ちになった」
これを聞いた瞬間、撮影をする私にも似た記憶が蘇った。夏休みの昼下がり、畳の部屋で寝転がっている小学生の私。ゆっくりと流れる時間の感覚を思い出すと、安心した気持ちが広がっていった。

優芽さんはうさとの服が柔らかく肌に触れる感覚から、懐かしさに包まれるような優しい気持ちが胸に広がったのだろうか。
優芽さんが感じた安心感が私にも伝わり、うさとの服は纏う人の懐かしい記憶を連れてきてくれる服なのだと気づいた。

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