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Number 77
Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと vol.12 オンラインショップのモデル事情
Usaatoオンラインショップをご覧くださっている方はお気付きだろうか?
それぞれのアイテムを気持ち良さそうにまとう、年齢も体型もそれぞれのモデルたち。
実は、その中にモデルを生業にしている人は一人もいない。
普段はうさとジャパンのスタッフとして総務をしている人や、物流で各展示会へ送るお洋服をピックアップしたり帰ってきたお洋服たちをメンテナンスする人、創業当時からのメンバーで誰よりもUsaatoの服を長く見てきた人・・・
みな、他の業務の合間に「お願いしまーす」とスタジオへ降りてきて、さくさくと撮影を済ませ、また自分の業務に戻るのだ。
それまでの人生で、モデルなんてしたこともない人ばかり。
ただ、”Usaatoの服を日々見ている、着ている”それだけを手がかりにカメラの前でポーズをとる。
【カメラマン・介添え・モデル、全員が他業務を兼任するスタッフ】
モデルをするのはスタッフだけではない。
Usaatoオンラインショップのサイトデザインをしてくれたデザイナーさん
Usaatoの服のコーディネーター(展示販売会主催者)さん
会社のある場所の氏神様の神職さん
などなど、ここには書ききれないほど様々な方にモデルとして登場してもらっている。
毎月、撮影予定の服たちをずらりと並べ ”どのようにすれば、Usaatoの服それぞれの個性を写真でお伝えできるか”を作戦会議する際に、
「この服は⚪︎⚪︎さんだ!」
「△△さん来月京都に来ると聞きました。モデルをしていただけないか連絡してみます!」
と、ご縁を頼りに、何とか毎月服とモデルのマッチングをしているのだ。
もちろん、中にはUsaatoの服は着たことがない方もいる。
普段の服装は全く違う系統の方も。
それでも、ふっくらとアイロンをかけられて準備万端の服たちに袖を通し、試着室から現れる姿に、撮影チームから歓声が上がることは珍しくない。
モデルさんも、服も、どちらもとても気持ち良さそうに見える。
そのたびにUsaatoの服の懐深さとご縁の不思議さを感じ、もっと多くの人に着てみてもらいたい、その姿を見てみたい、という気持ちになる。
【作戦会議中!】
Usaatoオンラインショップが始まったのは2020年、新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行した年の夏。
それまで「手から手へ」渡すことを大事にし、全国の展示販売会と京都のお店でのみの販売を行っていたが、コロナの影響で展示販売会のキャンセルが相次ぎ、それが元々の経営状況へ拍車をかけ、「会社がもう持たない」という事態に陥った。
お金がない。
時間もない。
人手は全く足りない。
起死回生を願うオンラインショップの立ち上げは、ひとつも先が見えない中で始まった。
もちろんうさとジャパンのスタッフだけでは到底こなせない膨大な作業量。
「いいから来て」「お願い助けて」
その声に、飛んできてくれた人たちに大きく助けられ、最終的には17,452点ものUsaatoの服たちを公開・販売することができた。
その時のオンラインショップの写真は、資金的・時間的な問題から、全てトルソーが着ているのだが、TOPページだけは人が着ている写真が使われている。
その人たちも、プロのモデルではない。
Usaatoにかかわる人たちにお声掛けして、”老若男女がそれぞれに楽しめる”そんなメッセージを込めた3種類のビジュアルが作られた。
「これまで、ご縁でやってきた服。ここからも、ご縁でやる。それ以外の発想がなかった。」
そう、舵取りをしたスタッフが言う。
その年の秋、オンラインショップは形を変えて再オープンするのだが、モデルはやはりプロには頼むことはなかった。
はじめはスタッフ中心で。
そこから、どんどんご縁ある方にお声掛けする形になり、今に続いている。
最近お世話になったモデルさんたちに「撮影はどうでしたか?」と質問してみた。
まずは、Usaatoのデザイナーうーさんが、信号待ちをしていてうっかり入った不動産屋さん。
うーさんはそれをきっかけに40年振りに日本で家を借りることにし、そこからお世話になっているというご縁でモデルをお願いした。(!)
「普段は全然しない格好で楽しかったです。
たくさん褒められ、気持ち良くしてもらって。笑
売上大丈夫かなあ、後悔しませんか〜?」
と、笑う。
【靴をモデルさんに持ってきてもらうなんて、うちくらいでは・・・】
次は、スタッフの通うパーソナルジムのトレーナーさん。
モデルの感想を伺うと
「いや〜・・・緊張しますね・・・」
と一言。
それでも、お声掛けすると快く引き受けてくださり、ありがたい限りだ。
【ご近所さんだからか、スタッフがばったり出会う率高し。】
そして、スタッフの子供の同級生のママさん。
彼女も近所の人。
彼女はお店の前をよく通っていて、ふと入ってきてくれた時に、子供の同級生ママであるスタッフと顔を合わせた、というご縁だ。
それから、度々お店に遊びに着てくれ、大事にUsaatoの服を選んでくれている。
「年齢を重ねてきて、人から見た似合う似合わないじゃなくて、少なくても自分が大切に着たいと思うものに出会えば着てみたいと思って。
そんな流れでUsaatoの服を買いました。」
と服との出会いを話してくれた。
ーモデルをしてみて、仕上がった写真を見てどう思いましたか?
「なんか・・・嬉しそうに着ているなと思いました。笑
(嬉しい)気持ちが出ているのかな、と。」
ー似合うと思いました?
「自画自賛だけど、思いました。笑」
【撮影前の一コマ】
【撮影した写真から】
最後はうさとジャパンスタッフの彼女。
「モデルは一瞬の勝負ですけど、暮らしの中で着続けていく、暮らしを共にしていくと、また違う事も分かる服たち。
でも全部を私が担えるわけじゃないから、担えることを精一杯やってます。笑」
【全国の展示販売会へ服たちを送り出しているところ】
【カメラの前に立つと、空気感が変わる。決して自分を出し過ぎず、服の色んな表情を見せてくれる。】
Usaatoオンラインショップの写真撮影は、こんな風にして今月も続いている。
Usaatoの服は、人が着ている時こそ最もいきいきとするから、できる限り人の着ている写真をお届けしたい。
そんな私たちの思いの通りに行かないこともあるが、思いがけないご縁に助けられることが、たくさんある。
毎月「今月も何とかなった」とほっとするほど、ご縁と人のご厚意に助けられて、続けることができている。
そしてそれは、
「老若男女、体型に関係なく、誰もがそれぞれに楽しめる。」
という特徴を持つ、Usaatoの服を紹介するには
とてもしっくりくる形である気がする。
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