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Number 19
Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと vol.1 滝沢泰平さん
「Usaatoにかかわるひと、みんながアーティスト」
Usaatoのデザイナー
さとううさぶろうはこう言います。
”Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと”は
その言葉を体現している方々にインタビューを行い
Usaatoの服を入り口にして
広がる世界をご紹介するシリーズです。
第一回目の”ひと”は
株式会社やつは代表取締役の滝沢泰平さん。
八ヶ岳を拠点に
エネルギー供給を含めた自給自足の生活ができる社会を目指し
コミュニティーのモデル作りに取り組まれています。
「Usaatoが続くために、僕たちにできることなら
喜んでさせていただきたい」
そう言ってくださる理由とは。
泰平さんとUsaatoとの出会いとは。
等身大のお話を伺ってきました。
ー本日はお忙しい中インタビューに応じてくださり、ありがとうございます。
昨年春、新型コロナウイルスの影響をきっかけに
Usaatoの経営が立ち行かなくなり
短期間でオンラインショップを立ち上げなければならない、という状況になったときに
全面的にバックアップをしてくださったのが
泰平さん、そしてやつは株式会社の皆さんでした。
部分ごとに表情の異なる、手織り・草木染めの生地を使ったUsaatoの服。
色も型も多岐に渡り、オンラインショップで扱うのは難しい。
そんな中、長年のオンラインショップ経営のノウハウをもって惜しみないサポートをしてもらった結果
17,452点ものUsaatoの服たちを公開、販売することができました。
今日まず、ぜひお聞きしたいのは
どうしてそこまで思ってくださるのか。
Usaatoの力になってくださったのか、ということなんです。
泰平さんとUsaatoとの出会いからお聞かせください!
泰平さんは、うーさん(Usaatoのデザイナー)と世界中で様々な活動をされていましたが、うーさんとの出会いが初めだったんですか?
ーいえ、服との出会いが先でしたね。
東日本大震災をきっかけに
東京での生活を引き上げ
河口湖で情報発信と農業の、いわゆる”半農半X”の生活をしていたときに
農業のお手伝いに来てくださる方がいて。
その方が着ていらっしゃったんですね。
その時に「珍しい格好しているな」と思ってお聞きしたことがきっかけで
”Usaato”の名前を知りました。
その後、面白いことに、一週間の間に別の方から3回
”Usaato”の名前を聞いて。
それで展示会へ伺いました。
ー一週間に3回も聞いちゃったら、行くしかないですね。笑
ーはい。笑
それで初めて着た時に衝撃を受けたんですね。
僕はリラックスできないという理由で
あまり外に出かけること自体が好きじゃなかったんですが
Usaatoを着ていると、ずっと素の自分のままでいられる。
ちょうどその時、自分の中で”麻”という素材に興味があったこともあって。
それで、すっかり。
ーハマられたと。笑
それまではどのような服を着てらっしゃったんですか?
ー農業をしていたんで、汚れても良い服というか、普通の服を着ていましたね。
東京で働いている時は平日はスーツを着ていました。
普通でしたね。
Usaatoの服は、上下別の(メーカーの)服と合わせるとバラバラになっちゃう気がして、最初に一揃い買い求めました。
色々着ましたね。
ムササビから、ベストから・・・
そんな感じで、2年ほどは完全に一ユーザーでした。
ーうーさんとは、どのようなきっかけで出会われたんですか?
ーそれが、その頃僕は、どんな人がUsaatoの服を作っているかも知らないくらいだったんですが、
僕の講演会にいらっしゃった方が、偶然うーさんのお知り合いで。
たまたまうーさんとその夜電話で話された時に、その方の声色を聞いたうーさんが「あなた、何か良いことがあったでしょ?」と。
それで、僕の事をお知りになって、うーさんから突然電話がかかってきました。
ーいきなり電話!
ーはい。笑
その頃農業をしている手前、なかなか農地から離れて、外に出て行くということがなくて。
けれど、そうこうしているうちに、思い切って会いに行くことになりました。
僕は、うーさんとの出会いがなければ、今の自分は居ないと思っています。
というのも、八ヶ岳へ移住したきっかけも、その時に外に出なければ、得られなかったし、
やつはの活動も八ヶ岳へ移ったことで活発になりました。
人生の転機はうーさんと会うことになったことから始まったんです。
そこからしばらく、うーさんと様々な活動をご一緒させていただきました。
スピーカーとして、イベント出演にお声掛けいただいたり
世界中でスピリチュアルな旅をしたり・・・
けれど、僕の中で一番恩を感じているのは、二人(泰平さんと奥様)が出会ったきっかけをくださったことなんです。
ーわー、聞きたかった!笑
ーはい。笑
うーさんからお声掛けいただいた
あるイベントがきっかけで出会いました。
僕はスピーカーとして、
彼女はたまたま、ボランティアの会場スタッフとして参加していて。
彼女を初めて見たときのインパクトがすごくて
「この人、知ってる」
って思いました。
僕、普段そういうことを言わないんですが
言ってしまうくらい印象が強かった。
ー奥様はいかがでしたか?
(奥様の滝沢真弓さん談)
ーよく映画とかドラマである、周りがスローモーションになる、みたいな。笑
会場で初めて彼を見かけた時はそんな風に感じました。
その後お話する時間があり
「たぶん、僕たち(過去世で)会ってると思います」
と言われた時に
自分もそう思った、とは言えず
「どこ出身ですか?(どこかで会ってるかもしれませんね)」
とごまかしちゃった。笑
ー笑
ーその頃はお互いにパートナーがいたので
彼女とはその後何度か八ヶ岳での登山なんかで会っているんですが
恋愛とか、そういう感じはなかったんですね。
それから、僕は父子家庭をやっていくことになってしまって、激動期を迎えて。
もう自分のことでいっぱいいっぱいでした。
息子の母親が出て行ってからも色々とあって、もう自分は、子供たちの成長のことだけ、そのために生きることしか考えてなくて。
もう一度、自分が結婚とか、とんでもない、という感じだったんです。
それがその後、うーさんと行ったシャスタで意識が変わっちゃって。
なんかもう、帰ってきたら変わっちゃったんですよね。
完全に色々なブロックが外れたという感じでした。
そんなときに彼女と会って。
「一緒になりませんか」
と思わず伝えていました。
ーまたも、うーさん!
ー人生の節目、節目でね。
とはいえ、僕はそのとき、複雑な家庭を抱えていたので。
一緒になるためには、現実解決しないといけないこと、バランスや時期を見ないといけないこともたくさんあって。
手探りでやらなければいけないなと考えていたところで、またも、うーさんがきっかけをくれて。
ご一緒したイスラエルで様々な奇跡が重なり、背中を押してもらって思い掛けず挙式をしたんです。
本当に、思いもよらなかったことなんですが。
結果、今はこうして一緒になれています。
結局、振り返るとあのタイミングで一緒になると踏み切れたおかげで、子供たちも元パートナーも含めて良い形に落ち着けたので、本当に良かったと思っています。
自分たちだけでは無理だった。
そんな風に、今の自分になれた恩人であるうーさんが、30年近く続けてきた服作りがUsaatoだから。
昨年のコロナ禍での危機を知った時は
「そんなことでUsaatoが無くなってはいけない」
ともう、それだけでした。
経営的に、時代がもう必要としていないとか、そういうことならともかく「そんなことで」と思いましたね。
Usaatoの服は人生を変えると、本当に僕は思っているんですよ。
多分必要な時期に出会うんだろうな、と思うし。
それを纏う準備ができたときっていうか。
僕が初めてUsaatoを着たときに感じた
”素の自分のままでいられる”
状態を作ってくれるということ。
それって、今の社会、自分を出せないケースが圧倒的に多い中で
以前の僕みたいに素の自分を出し辛い人間が、出すきっかけになるツールという意味で
この服は役割を持っているんじゃないかなと思います。
冷静に考えると色々、デザインとか、今まで自分が着ていたものとガラリと変わったりすると思うんですが。
でも、それも含めて自分なんだと(在り方で)発信できる。
そういう準備ができたとき、自分の道が始まる。
取り繕っている自分だと、本当の自分の道は歩めない。
かなり遠回りしちゃうと思うんです。
素の自分のままで「これ、いいな」とUsaatoの服を着れる人っていうのは
自分の道も、そのまま素直に、最短距離で歩いていけそうなので。
人生が変わるんじゃないかな、という気はしています。
ー株式会社やつはでは、昨年のオンラインショップのバックアップはもちろん、年に数回のUsaatoの展示販売会も行ってくださっていますが
今後、Usaatoがこうなったらいいなとか、こういうことを一緒にやってみたい、みたいなビジョンはありますか?
泰平さんの夢をききたいです!
ーそうですね。
もう色々あるんですけどね。笑
ひとつは、展示販売会にとどまらず
今度僕らが作る施設には常にUsaatoの服があって欲しいなという思いはあります。
ーUsaato八ヶ岳!
ーそう。
あとは、僕たちは農業を大事にしているので、農作業着があったらいいなとか。
今は農作業着は、基本的には化学繊維のものが主流なので、そういうものこそUsaatoのものがあればといいなと思うし。
あとは、やっぱり、ビジネスの話になっちゃうと、Usaatoの持ってるものは生地にしても何にしても良いものがたくさんあると思うので、アイデアはたくさん出てくるんですよ。
ただ、やっぱりUsaatoが大事にしている
”思いを届ける”という部分を考えると
商品だけが一人歩きするのは違うな、とも思います。
時が来た時に一緒に何かできればと考えています。
世の中の方はもう準備が整いつつあると感じるので、良い形で新しいUsaatoが見られると良いなと思いますね。
Usaatoには未知の可能性が色々ありますよ。
個人からコミュニティへ
その雛形を八ヶ岳から全国へ。
泰平さんの取り組みは
年々広がりを見せています。
今年は耕作放棄地での自然栽培による、年間一人頭60kgの収量見込みの
”米本位制”が形になりそうだとか。
「では、僕は田んぼの見回りがあるので」
そう言って手を振る彼の姿に
未来が根を張るように見えました。
滝沢泰平さんのこれまでのご活動と、これから目指すところが惜しみなく書かれた書籍です。Usaatoについての記述も。
滝沢泰平さんが代表をつとめる
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