Usaato

Number 20

Usaatoにかかわる、ひと・もの・こと vol.2 滋野悦子さん

 

くったりと気持ちよく使い込まれたUsaatoの服をまとい、軽やかな足取りできびきびと立ち働く。

 

材料は、その日に出会う素材。

 

メニューはひらめきで。

 

たちどころに10人前以上はある

”ごはん”ができてゆく。

 

 

栗、とうもろこし、オクラ、みょうがの混ぜ寿司

 

生ハム、キヌア、ゴーヤ、にんじんのサラダ

 

早生品種の里芋は片栗粉をまぶして揚げて

 

軽く味を付けたら海苔を散らした一皿に

さつまいものお焼きは香ばしく

 

乾燥えのきの旨味がたまらない具沢山のお味噌汁!

 

 

 

 

京都北部にある自然豊かな綾部にある、野菜を中心としたおばんざいでご近所から遠方までファンの多いお店

”綾部つむぎ”

を営む滋野悦子さんの”ごはん”は、目の前の素材にインスピレーションが止まらないように、作りながらもどんどん変化する。

 

「これは、こちらに混ぜましょか!」

 

「ちょっと酸っぱいものが欲しいですね」

 

「ああ、良いお野菜です」

 

臨機応変にどんどん素材を料理してゆく。

 

 

彼女がUsaatoスタッフにお昼ごはんを作りに来てくれるようになったのは、長く勤めるスタッフを通しての親交がきっかけだが

その動機は、自然の少ない街中で仕事をする私たちを見て

「この人たちに一月に一回でも、お野菜たっぷりの家庭にある料理を食べてほしい。」

と思ったことだそう。

 

 

作り始めてからわずか2時間余り。

 

大皿を何枚も使って盛り付けられたごはんに

わあっと歓声が上がった。

 

 

 

 

滋野悦子さんは、はじめから料理の道を

しかも綾部で野菜中心のごはんを出す道を

歩いていたわけではない。

 

陶芸家、着物の図案を描く仕事、アパレルなど他業種を経て

突然居酒屋を始めたのだ。

 

その理由が、ふとしたきっかけで視てもらった占い師に

「(故人である)お父様が

”すぐに料理を出す店をやれ”と言っている」

と伝えられたからだというから驚きだ。

 

 

経験がない料理の世界。

 

飛び込んですでに二十余年だが

始める時に、動じる気持ちは無かったのか?

 

 

「失敗しても、命までは取られない。

居酒屋さんだったから、残り物でご飯は食べれるやん!と思った」

 

と言う。

 

なんという身軽さだろう。

 

二階建ての賃貸物件を借りてその二階に住んでいたので、自分の台所でお客さんにご飯を食べさせる感覚だったという。

 

「そんな感じだったから、初めはお客さんで来たプロの板前さんにすごくいじめられて。でも不思議なもので、その人に色々と教えてもらいました。」

 

 

すごい。

 

そう言うと、

 

「私は魚の捌き方は、ジュース一本持って魚屋さんへ行き ”おっちゃん、ちょっと見てていいか?”と、傍でずーっと仕事を見せてもらって覚えました。

私がすごいんじゃないよ。

みんなが、そういうこと、やらなさすぎるの。」

 

唸ってしまう言葉が返ってきた。

 

 

【うさとジャパンの小さな小さな台所にて】

 

 

そうして10年ほど続けた居酒屋だったがお客さんと一緒にお酒を飲むことも多く、深夜まで働く毎日。

 

「こんなことをしていたら身体を壊す」

 

と思い、玄米食を食べるようになった。

大病をしたわけではないが、毎日だるく低体温の身体を改善しようと思ってのことだった。

 

「体温を上げよう。」

 

そう思った時に、昔食べた記憶のある玄米を食べようと思ったのだ。

お酒も飲んだしタバコも吸ったが、それをやめようと思うより「何か体に良いことをしよう」と感じたのだと言う。

 

菜食主義まで行かなかったのは、悦子さんにとって、それは極端に感じられたから。

幼い頃、ご両親の方針でマクロビオティックを身近に体験していたからこその感覚だった。

 

とはいえ「18歳の時には出たくて仕方なかった」という綾部の生活が、彼女の基本センサーを作っていたのかもしれない。

 

(ちなみに、26歳のときに生まれて初めて食べた焼き肉は「びっくりするほど美味しかった!」そう。)

 

 

「良いことばかりしていたら優等生にはなるけど、それだけ。

理屈抜きでそそられることを体験する。

この世界も、あの世界も、両方知っているのが、私は好き。」

 

彼女の味は、手垢の付いた表現を使うなら”おふくろの味”。

 

「二十余年、お店をやってきて、捨ててきてるんですよね。

何をって言ったら、【かっこよさ】。

私には、私の料理しかできないから。」

 

目の前の人に食べさせたい料理を作る。

どこまでも、その時の出会いにインスピレーションを得て彼女の料理はできている。

 

 

 

 

悦子さんのお店は面白い。

 

定食のメニューはあるがここでも出てくるものは臨機応変。

 

素材とお客さんに合わせて料理が出てくるところは、ライブを見ているかのような楽しさだ。

 

打てば響く気持ち良さを感じながら

”田舎の実家”のような空間でくつろいだ時間を過ごせる。

 

卓越した気働き、機転。

 

一体どのようにして培われたのか。

 

今の彼女の料理が縦糸だとすると

横糸に感じるのは、彼女の”女の人生”かもしれない。

 

 

「人に言えないようなね、悪いこともしてきたんですよ。」

 

からりと言う。

 

「二号さんに憧れがあってね。

どうしてもなってみたかった。

それで、二人の男性と、それぞれ十年過ごしました。

 

それだけやってみて今ようやく思うのは

”人のものは奪ったらいけない”

ということです。

本当に大変だった!

 

でも、人生は面白いね。

私もう66です。

あっというまに70歳になる。

やらないといけないことはちゃっちゃとやらないと!

時間が足りひんねん。

これから、面白くなればいいね!」

 

縦糸も、横糸も

幅広く体験した人生。

 

だからからこそ、今がある。

 

 

 

お話の最後に

 

”Usaatoの服で、こういうのがあればいいな、

みたいなの、ありますか?”

 

とお聞きしたら

 

「Usaatoらしい洋服は着ない。

生地が多くて重いから。

こうね、引っ掛かるのよ、お料理する時に。笑」

 

だそう。

 

身のこなしを見ていると、

それもそうかもしれない。

 

すっかり彼女の体に馴染んでいる

動きやすいタイプのUsaatoの服が

 

「どうぞ、そのままで。

思うままに楽しんでください!」

 

と言っているように感じた。

 

 

【エプロン、お似合いです!】

 

 

 

 

着用しているエプロン他はこちら

 

滋野悦子さんのお店はこちら

 

 

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